松戸と徳川将軍の御鹿狩(おししがり)

 松戸市立博物館は「松戸と徳川将軍の御鹿狩(おししがり)」企画展を令和2年11月15日(日)まで開催。軍馬育成の牧場だった小金原(現在の松戸市、柏市、流山市、鎌ヶ谷市にわたる範囲)で、徳川八代将軍・吉宗が行って以来、幕末までに計4回行われた御鹿狩について、古文書や絵図、日本在来馬や獲物のはく製などを展示して、動員された武士や地域の農民などの様子から、数年かけて計画された一大行事を紹介しています。
 牧場に鹿や猪などの害獣が増え、牧場を荒らし近隣の村々の作物に被害を与えていたことなどを背景に、狩猟は武芸を鍛錬し披露する機会であるとして享保10年(1725)3月27日に挙行された第1回の御鹿狩では、393か村から12,000人余りの農民を動員して、鹿832頭、猪5頭、狼1頭を捕獲。また翌享保11年(1726)同日には、483か村から17,000人余りの農民が動員され、鹿470頭、猪12頭、狼1頭を捕らえました。こうした狩りの風景を描いた絵図や、狩りに使われた道具のほか、将軍や武士たちが江戸川を渡るため、金町・松戸間に臨時に船を並べて架けられた壮大な船橋についても、絵図や日記、残された船橋の部材などの資料が展示されています。
 なお、将軍が狩場全体を見渡すために土を台形に高く盛った御立場(おたつば)は、現在の松飛台に設けられていました。昭和10年代まで残されていたものの、松飛台に飛行場が造られる際に飛行機の発着の障害になることから撤去されたといわれています。現在、五香公園内に「御立場跡」の石碑が建てられています。

日本在来馬はく製(木曽馬第三春山号)

●開催期間:令和2年11月15日(日)まで(毎週月曜日休館)
●開催時間:9時30分~17時(入場は16時30分)
●入場料:一般310円、高校生大学生150円、小中学生無料、11月3日(文化の日)は無料

御立場跡

●講演会(無料)
 ①「将軍御鹿狩後始末―狩後の将軍と獲物の行方」
  講師:高見澤美紀氏(國學院大學兼任講師)
  令和2年10月11日(日)13時~15時
  森のホール21 レセプションホールにて(定員100人)
 ②「祝祭としての御鹿狩」
  講師:椿田有希子氏(横浜市立大学非常勤講師)
  令和2年10月24日(土)13時~15時
  森のホール レセプションホールにて(定員100人)
 ③「さまざまな御鹿狩資料」(博物館友の会共催)
  講師:富澤達三氏(松戸市立博物館)
  令和2年11月1日(日)13時~15時
  松戸市立博物館講堂にて(定員40人・予定)
※申し込み、問い合わせは松戸市立博物館(https://www.city.matsudo.chiba.jp/m_muse/)、電話047-384-8181。

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